結果九〇年代前半は、円高・ドル安の進行速度こそ小さくなったものの、日本の製造業は、輸出数量の減少を最小限に止める代わりに、輸出利益(輸出マークーアップ)の減少が進み、経営の体力(収益力)が急速に低下していったものと思われる。この間ミクロ的に見れば円高・ドル安に対する製造コストの削減が、マクロ的には日米間の貿易収支の黒字を増加させ、それが為替レートをさらに円高・ドル安方向に進め、結果として日本企業の収益力の低下をもたらした。まさに合成の誤謬の問題である。トヨタ自動車、日産自動車をはじめとする日本メーカーが得意なカイゼン(改善)により、合理化、省力化をすればするほど貿易黒字が拡大し、円高になる。
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