私の心にあった後ろめたさに対する解答は、塾はあくまでも強制力のないものであるのに、どうして存在悪として目の敵にされるのか、ということです。一度こんなことがありました。ガスの検診に来た人が、高校生を持つ親御さんだったのですが、「教育に金がかかることはおかしい。だから我が家は塾には通わせない」という意味のことを私に話しかけてきたのです。「自分の子供の高校入試の結果に満足はしていないが、塾はお金がかかるので信用できない」ということでした。まだ若かった私は、いささかその論にはむかっときたこともあり、高校入試のそれなりの大変さや、塾の役割について話しました。そして最後に、「教育にこそお金をかけるべきではないですか」と言い返しました。その言葉に説得力があったとは思えないし、それ以降はその人と会ってもいないので何ともいえないのですが、公教育を「タダ」だと勘違いしている向きはあるようです。知って欲しいこととしては、生徒一人あたり、かなりのお金がかかっていることと、それが税金でまかなわれているということです。