日本の社会には、儒教や仏教の精神が長いあいだ浸透していました。自然のままの運命を受け入れ、あきらめの境地に達するのが立派なことでした。しかし、それならば、医学は必要ないのです。医学の基本的な精神は、自然に逆らうことだからです。病気になったら死ぬのが自然、それに逆らって治療するのが医学といえます。昔とくらべれば日本人の価値観もずいぶん変わりました。いまどき、病気になったからあきらめて死のう、などと思い悩む大はいないでしょう。それにもかかわらず、美醜の問題は、依然として医学的な解決をすることなく、あきらめの境地に達しようとする人が多いのです。