高齢者の賃金が割高でコスト負担が過大だというのであれば、高齢者の賃上げを抑えることもできるし、また、何よりも彼等の能力を活性化するための方策に力を注ぐべきである。こうした意味で現在の長期勤続者の雇用は維持し、その能力を充分に活用することを考えるべきであるが、メガトレンドの大きな変化の下で、このような年功的な長期雇用慣行を将来にわたっても維持することができるか否かとなるとそれは別問題である。これからの企業の環境条件の下でそれが企業にとって有益であるかどうか、また労働者にとってもその人的能力を本当に活用することになるかどうかなどについては明らかに問題が残される。私見では、こうした長期で収支をバランスさせるような暗黙の契約ともいうべき雇用慣行はこれからの時代には企業にとっても労働者にとっても無駄な負担を課することになるおそれが大きくなってきており、厳密な能力評価の下で、本人の能力と成果に応じた報酬を提供し、比較的短期で労使双方にとって収支バランスの合う雇用をふやしてゆく事が望ましいと考える。
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