英語力を経歴にいかしている一人として、私の友人の話をしよう。彼は農家に生まれ、阿蘇山の麓で牧場を経営することを子どもの頃から漠然と夢に見ていたが、中学、高校と成績は振るわず、高校卒業後、いったんは自動車販売会社に就職をする。しかしそこをわずか一週間で辞め、今度は農協で職に就く。そこでの仕事にも疑問をいだきはじめた矢先、転機が訪れる。それが、アメリカでの農業研修だった。牧場経営という自分の夢に近づける!一念発起した彼は、研修員になるための試験に向けて英語の猛勉強を始めた。そして見事に合格して、一路アメリカへ向かったのだ。アメリカに着いてからも、しばらくは挫折の連続だったようだ。試験に合格したとはいえ、そのときの英語能力はまだ、会話などのコミュニケーションに生かせるレベルではなかったのだ。農業実習を終え、アイダホ州の牧場に配属されてからは、農奴のような生活を強いられ、その後、ネブラスカ大学に入学してからも、英語の猛勉強は続いたようだ。毎日の授業をテープにとって、それを繰り返し聞いたという。その努力が実を結び好成績を収めたことで、またもや転機が訪れる。大学に特待生として迎えられたのだ。それまで仮入学という立場で、日々退学と帰国の不安と戦っていたのが嘘のような急展開である。