「プラスチックのリサイクル率は五一%になった」(プラスチック処理促進協会)と言われても、プラスチックの五一%を金属やガラスと同じようにリサイクルしているわけではなく、金属・ガラスのようなリサイクルの率はたぶん一五%ほどだろう。このようにプラスチックには特殊性があり、その特殊性ゆえに、金属やガラスのリサイクルとは違った用途が使われる。これではほかの材料と直接比較できないし、誤解のもとにもなって、あまり好ましくはない。リサイクル時に熱回収できる点でプラスチックと同じ紙には、金属やガラスの場合と同じ用途が使われる。そこで、プラスチック関係者からの非難は覚悟の上で、金属やガラスに使うリサイクル用語をプラスチックにも適用し、次のように定義しよう。
●マテリアル・リサイクル…廃プラスチックを樹脂ペレットなどに再生し、成形し直して製品にすること。現在マテリアル・リサイクルが行われているのは、PET、塩ビ、ポリスチレンだけと考えてよい。
●ケミカル・リサイクル…廃プラスチックを化学的な方法で低分。トに分解し、またプラスチックの合成原料に使うこと。●高度燃料化…廃プラスチックを、液体燃料の原料にするか、熱分解でガス化して燃料にすること。または、固体のまま製鉄プロセスなどの述元剤に使ったり、コークス炉の燃料に使うこと。
●エネルギー回収…廃プラスチックをそのまま、または別の可燃性廃棄物と混合して燃焼し、発電などによりエネルギーを回収すること。あるいは、保存可能な固形燃料にしたあと燃焼してエネルギーを回収すること。
●焼却処分…エネルギー回収を目的とせず、おもに減容化(体積を減らすこと)のために廃プラスチックを燃焼すること。
●直接埋め立て…廃プラスチックをそのまま、または破砕処理してから埋め立てること。こうした定義でもまだ微妙なところか残る。まず、RDFというものはどうか。RDFはRefusedDensifiedFuelの略で、「廃棄物を用形化した燃料」と言えるが、これを高度燃料化とはみない。RDFは、廃プラスチックと紙ゴミ、生ゴミなどに石灰を混ぜ、押し出し成形して燃料化したものだ。この燃料は、石灰が入っているし、塩素を出す塩化ビニルをたいてい含むため、還元剤などという高度な燃料としての利用はしにくい。おもな用途はエネルギー回収用の燃料だから、RDFはエネルギー回収に分類すべきだと思える。ケミカル・リサイクルか高度燃料化かを判断しにくい例もある。ガス化かそれだ。もしポリエチレンを熱分解してエチレンにする方法ができたら、それはケミカル・リサイクルだろう。しかしエチレンではなく酢酸を作り、それをポリ酢酸ビニルという樹脂の原料に使うなら、なんと表視すべきか。どうやら、高度燃料化とケミカル・リサイクルの間に「高度化学原料化」とでもいう分類を設けるべきかもしれない。