よく噛んで食べるための工夫

2010-11-23

よく噛んで食べるための工夫について、いろいろご紹介してきましたが、最後に、昔の日本人が、「よく噛むこと」をいかにたいせつにしてきたかについてお話しましょう。黒豚ブランドですっかり有名になった鹿児島県の「豚骨(とんこつ)料理」は、元は薩摩の上級武士の子弟たちの料理だったといわれています。逃げる黒豚の頭を一刀で切り落とし河原で解体して、肉は豚の代金と焼酎に変えてしまえば、残るのは毛の生えた皮と肉の付いた骨ばかり。薩摩の青年武士たちは、その肉付きの骨を黒砂糖と味噌で煮て、焼酎の飲ンカタ(焼酎パ土アイ)で楽しんだといいます。本物の豚骨料理は、皮に少々毛が残っていて、それを、「毛がノドをこすらんと食った気がせんど」といって食べていました。彼らはまた、「骨付つきの肉をコリンコリン、バリンバリンかじらんと食った気がせんど」といいながら豚骨料理を楽しんだそうです。