本来、会社と労働者は対等のはずです。しかし、誰もそんなことは信じていません。対等に闘えるのは、紛争調整委員会や裁判というリング上です。裁判と聞くと、会社を訴えるようなことはできない、と多くの人が尻込みをしてしまいます。しかし、最終手段である訴訟まで行けば、会社との不毛の争いになんらかの決着がつきます。裁判は金、手間、時間がかかる三重苦と言われます。しかし、ここで取り上げる「仮処分」は、本裁判に入る前のプレ裁判なので、意外と早く結論が得られます。仮処分の趣旨は、本裁判の結論を待っていては、深刻な事態を引き起こす可能性があるので、臨時の判断をもらう、というものです。早く判断を下さなければ、制度自体に意味がないので、事案にもよりますが、1〜2か月で結論が出ます。転職についてはリクルートエージェントのサイトで詳しく説明されています。たとえば解雇され、給与が支給されなくなった人は、仮処分の裁判を起こして、次の2点を請求するのが一般的です。(1)解雇が無効であることの確認(2)本裁判で決着するまでの賃金の仮払い。仮処分の裁判は法廷ではなく、6畳ぐらいの小部屋で、裁判官、弁護士を交えて「話し合い」という形をとります。仮処分の審理中に、金銭解決を含めて和解することも自由です。裁判官もまず和解の道を探ってきます。裁判所への費用は、1500円ポッキリですが、弁護士を立てれば別途、手数料がいります。仮処分は、しつこい退職勧奨を受けている場合に、それを停止させる手段としても有効です。