夏目漱石も食べたといわれる【坊っちゃん団子】じつは漱石が食べたのは別の団子

2011-01-20

夏目漱石が明治三十九年に発表した小説『坊っちゃん』の中で、主人公が道後温泉の帰りに団子を食べるシーンがある。いい気分で団子を食べた翌日、その行動を見ていた生徒にからかわれる、という筋書きだ。この小説は愛媛県松山市が舞台だが、じつは、漱石自身も松山で教鞭をとっていた時期があり、松山市道後湯之町・つぼやで団子を食べたという。それが美味しかつたのか、その体験をもとに団子を登場させたようだ。こうした逸話をもとに大正十年、松山市道後湯之町の菓子屋「つぽや」が『坊っちゃん』に登場する団子として売り出しだのが、松山名物として知られる「坊っちゃん団子」である。抹茶、黄味、小豆の三色の団子を串に刺しかものだ。一九六〇年代の観光ブームで知名度が上がり、この坊っちゃん団子はほかの店でも販売されるようになった。そして今ではすっかり松山土産として定着したのである。だが、じつは、漱石が食べた団子は、三色団子ではなかったという説もある。つぽやによると、漱石が食べたのは、餅に飴をかけた湯ざらし団子と呼ばれるもので、串に刺さっているのではなく、皿に盛られていたものだったという。抹茶や黄味などの三色でもなく、素朴な味わいのものだったようだ。本来なら、この湯ざらし団子が「坊っちゃん団子」となるところだが、三色のハイカラな雰囲気が『坊っちゃん』のイメージにぴったりなこともあったのだろう、今ではこの三色団子が松山土産として親しまれている。

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